脊髄腫瘍(脊髄髄内腫瘍、脊髄髄外腫瘍、馬尾腫瘍)


脊髄髄内腫瘍と脊髄髄外腫瘍との違い

  髄外腫瘍 髄内腫瘍
硬膜外 硬膜内髄外
組織病型 悪性腫瘍転移
neurinoma
neurinoma
meningioma
ependymoma
astrocytoma
症状 脊椎痛 ++
根性疼痛 ++
悪性腫瘍では数髄節に
およぶこともある

neurinomaは一側性
meningiomagは両側性

腰仙髄ではまれでない
索性疼痛 ++頸胸髄に多い
知覚障害
(脊髄視床路)
上行性 上行性 下行性
脊髄空洞症型の
解離性知覚障害
+頸胸髄に多い
筋萎縮 ++
fasciculation ++
錐体路症状 ++ ++
頸胸髄では四肢近位部から
遠位部へと進行
Brown−Sequard症候群
検査所見 髄液蛋白増量
Queckenstedt現象
++ ++ 初期は(−)
末期は(++)
脊椎X線変化
ミエログラフィー
++
限局しかし高度
++
2〜3椎体以上

髄外腫瘍と髄内腫瘍の鑑別診断

  髄外腫瘍 髄内腫瘍
自発痛 根痛root pain、早期に出現 局在の不明瞭なburning pain
知覚障害 対側の温痛覚障害と同側の固有知覚障害
Brown-Sequard type
感覚解離sensory dissociation
分節性segmental
saddle areaの温痛覚障害 病変レベルの障害より強い 病変レベルの障害より軽いsacral sparing
下位運動ニューロン障害 分節性segmental 強く広範に障害される
筋萎縮と線維束攣縮fasciculationを伴う
上位運動ニューロン障害 早期に出現、顕著 晩期に出現、軽度
腱反射亢進 早期に出現、顕著 晩期に出現、軽度
錐体路徴候 早期に出現 晩期に出現
栄養障害 軽度 顕著
くも膜下腔ブロックとCSFの変化 早期に出現、顕著 晩期に出現、軽度