脊髄腫瘍(脊髄髄内腫瘍、脊髄髄外腫瘍、馬尾腫瘍)
疼痛性疾患 代表的疾患 神経因性疼痛
神経因性疼痛の多くは、表2-111に示すような特徴を、備えている。このような特徴を念頭におきながら、診断治療を進めていくことが大切である。
表2-111 神経因性疼痛の特徴
@体性感覚系の障害で生じる。 |
A知覚障害はごく軽度から、完全知覚脱出まで様々である。 |
B疼痛特異体質の場合がある。 |
C感覚障害のある部位での疼痛。 |
D発症は遅発性。 |
E脳に起因するものは、消失することもある。 |
F持続痛、神経痛様、誘発痛の三要素。 |
G知覚神経ブロックで、一時的に改善することがある。 |
H誘発痛は交感神経ブロックで、一時的に改善することがある。 |
I持続痛はモルヒネよりも、バルビタール静注に反応しやすい。 |
J持続痛は電気刺激療法で改善することがある。 |
K誘発痛は神経痛様疼痛は、神経遮断手術で改善しやすい。 |
L消炎鎮痛薬や通常量の麻薬性鎮痛薬は無効。 |
@神経根の癒着による牽引で、神経根が刺激されて生じる場合。 |
A脊髄自体の稽留・牽引による、tethered cord syndromeとしての痛み。 |
B炎症や長期過度の牽引による、神経根自体への障害によって生じる、末梢性神経因性疼痛。 |
C脊髄自体の障害による、中枢性神経因性疼痛。 |
D脊髄症状としての痙縮・筋攣縮による疼痛。 |
E心因要素による、痛みの修飾。 |