脊髄腫瘍(脊髄髄内腫瘍、脊髄髄外腫瘍、馬尾腫瘍)の
セカンドオピニオンについて
脊髄腫瘍のセカンドオピニオンの目次
@セカンドオピニオンとは?
Aセカンドオピニオンの目的
Bセカンドオピニオンの長所
Cセカンドオピニオンの短所
Dセカンドオピニオンを考える前に
Eセカンドオピニオンを考える前に、脊髄腫瘍(病気)の事をもっと知って下さい。
Fセカンドオピニオンを考える前に、自分自身(患者)の情報を整理しましょう。
Gセカンドオピニオンの事を、家族に相談してみましょう。
Hセカンドオピニオンの事を、主治医に相談してみましょう。
Iセカンドオピニオンはどこに行くのか?
Jセカンドオピニオンのタイミングはいつ?
Kセカンドオピニオンは、誰が行くのか?
Lセカンドオピニオンに行く前に
Mセカンドオピニオンの予約と流れ
Nセカンドオピニオンが終わったら
☆情報整理メモ
@セカンドオピニオンとは?
セカンドオピニオンというのは『Second Opinion』と書き、直訳すれば『第2の意見』で、
『医者をかえる』事なく、複数の医師の意見を聞く事です。
Aセカンドオピニオンの目的
■診断や治療方針が妥当かどうかを確かめる場合もあります。
(現在の診断や治療方針を納得して受けるための、判断材料となります)
■他の治療法の可能性を知るための場合もあります。
(より多くの選択肢を得ることができます)
■他の治療機関の可能性を知るための場合もあります。
(自分自身にとってより良い医師や治療機関に出会える可能性があります)
Bセカンドオピニオンの長所
■他の診療科目の、医師の意見が聞けます。
(脊髄腫瘍は、脳神経外科、整形外科の境界領域に該当します)
■同じ診療科目の、他の医師の意見が聞けます。
(他の派閥や学閥の、他の医師によっても、考え方に違いがあります)
■主治医の診断、治療方針と同じであるか再確認できます。
(再確認する事によって、納得して治療を受ける事ができます)
■治療法の決定が困難な時、複数の医師に症例を検討してもらえます。
(脊髄腫瘍の放射線治療については、医師の間でも意見が分かれます)
■直接話しをする事で、医師の人柄が分かります。
(脊髄腫瘍の執刀医とは、一生涯のお付き合いになりますので、相性も重要な事だと思います)
■直接患者が行く事で、患者が気付かない自覚症状以外の、他覚症状を診察できます。
(MRI画像だけではなく、歩行状態、腱反射、筋力などの診察ができます)
Cセカンドオピニオンの短所
■セカンドオピニオンの費用が、保険適用外の自由診療の場合が多いです。
(1時間21000円や、30分以内で8000円の病院など、費用にバラツキがあります)
■セカンドオピニオンの予約待ちに、数週間〜1ヶ月以上もかかる場合もあります。
(大学病院などでは、めずらしい事ではありませんので、時間的な余裕も必要です)
■セカンドオピニオンを受けるための移動により、身体的負担がかかります。
(歩行などの神経症状が進行している場合は、十分な配慮が必要です)
■セカンドオピニオンのために、治療や手術の時期を逃してしまう可能性があります。
(主治医と治療方針が決定しないと、次に進む事ができません)
■セカンドオピニオン先の医師が、初対面の短時間ですべての情報を把握するのは難しい事です。
(時間の経過に伴う脊髄腫瘍の増大や、神経症状の進行など)
■他の治療方針が提示された場合、どの治療方針を選択するべきかと、混乱のもとになる場合もあります。
(場合によっては、サードオピニオンも検討する必要性も出てきます)
Dセカンドオピニオンを考える前に、もう一度セカンドオピニオンの必要性を考えて下さい。
■セカンドオピニオンをするかどうかも、患者が選択する事です。
(患者の権利ですが、自己責任を伴います)
■主治医と話し合いをする事で、不必要なセカンドオピニオンを避ける事ができます。
(例えば、主治医に他の治療方針の可能性を、確認する事など)
Eセカンドオピニオンを考える前に、脊髄腫瘍(病気)の事をもっと知って下さい。
■インターネットの脊髄腫瘍の情報は、まだまだ整理されていません。
(転移性がん、原発性の多発性・難病性、原発性の非多発性・非難病性など、情報は混乱しています)
■病気に対しての理解が深まれば、医師の話す内容が分かりますし、医師に質問できる内容も違ってきます。
(病気を理解する事が、治療の第1歩です)
■脊髄腫瘍の手術には、いろいろなリスクを伴いますが、患者によって大きく異なります。
(医学の世界は日進月歩ですが、医療の限界もあります)
Fセカンドオピニオンを考える前に、自分自身(患者)の情報を整理しましょう。
■体の小さな変化や、他人からは分かりづらい症状も、患者本人が一番把握しているはずです。
(正確に病状を伝える事が、診察の第一歩です)
■主治医からの説明など、患者が置かれている状況を、冷静に見つめ直す機会でもあります。
(メモに書く事によって、家族も状況を正確に把握する事ができます)
Gセカンドオピニオンの事を、家族と話し合いましょう。
■セカンドオピニオンも、診断・治療の一環と考えるのなら、家族の協力も必要不可欠です。
(セカンドオピニオンのために、時間、費用など、現実的な問題)
Hセカンドオピニオンの事を、主治医に相談してみましょう。
■疑問点は、先に主治医に確認しましょう。
(患者の体を、一番分かっているのは主治医です)
■セカンドオピニオン先の紹介、予約など協力してくれる場合もあります。
(場合によっては、協力してくれない場合もあります)
■セカンドオピニオンに必要な、書類(診療情報提供書、MRIフィルム)が必要になります。
(上記の資料が揃っていないと、イチから検査をしなおすなど、時間と費用がかかります)
Iセカンドオピニオンはどこに行くのか?
■脊髄腫瘍は、脳神経外科と整形外科のどちらでも手術ができます。
(他の病気と比べて、選択の幅がとても広いです)
■脊髄腫瘍の発生場所によって異なり、手術の難易度が高くなるほど、選択肢は少なくなります。
(手術の難易度が高い、延髄腫瘍、頸髄腫瘍の手術ができる病院は、全国的にごくわずかです)
■脳神経外科の、脊髄腫瘍の専門医制度を参考にして下さい。
『日本脊髄外科学会』1986年設立、認定医リスト245名、指導医リスト47名、訓練施設リスト25施設
■整形外科の、脊髄腫瘍の専門医制度を参考にして下さい。
『日本脊椎脊髄病学会』1974年設立、指導医リスト1146名
Jセカンドオピニオンのタイミングはいつ?
■脊髄腫瘍の診断後から、最初の治療(手術)までの間です。
(セカンドオピニオンの順番待ちや、手術の順番待ちに数ヶ月など、時間的な余裕も必要です)
Kセカンドオピニオンは、誰が行くのか?
■セカンドオピニオンで診察してもらうためにも、患者本人が原則です。
(神経症状が進みベッドで寝たきりの場合などは、一度相談してみて下さい)
Lセカンドオピニオンに行く前に
■セカンドオピニオンに、家族も同席してもらいましょう。
(患者よりも冷静に、話しの内容を聞く事ができます)
■聞き忘れのないように、質問事項は事前にまとめておいて下さい。
(セカンドオピニオンの時間は限られています)
M セカンドオピニオンの予約と流れ
■セカンドオピニオン先の医師の事を、調べておきましょう。
(過去の学会などで、脊髄腫瘍に関する論文の発表や、手術実績など)
■セカンドオピニオン先のHPで、セカンドオピニオンの受入れについて調べておきましょう。
(予約の取り方、費用、持参する書類、セカンドオピニオン外来申込書、相談同意書など)
■主治医にセカンドオピニオンを申し出て、書類(診療情報提供書、MRIフィルム)をお願いしましょう。
(上記の資料が揃っていないと、イチから検査をしなおすなど、時間と費用がかかります)
■セカンドオピニオン先に、実際に電話をして申し込みをしましょう。
(学会や出張などで休診、費用、時間など変更している場合もあります)
■セカンドオピニオン先の医師から、主治医へのお手紙を書いてもらいましょう。
(主治医にとっても一つの判断材料となることがあります)
■時間があるのなら、病棟も見学してみましょう。
(だいたいの雰囲気も分かりますし、入院生活のイメージが掴みやすいと思います)
Nセカンドオピニオンが終わったら
■主治医は患者のその後を心配しているので、セカンドオピニオンの診断内容を報告して下さい。
(セカンドオピニオンを受けたからといっても、主治医との縁が切れる事はありません)
■主治医から貸出してもらった、MRI画像・CT画像・レントゲンフィルムなどの返却。
(病院には保管義務があります)
☆情報整理メモ
■脊髄腫瘍の局在の場所(脊髄髄内腫瘍・脊髄髄外腫瘍・馬尾腫瘍)、大きさ(縦・横)
■脊髄腫瘍の高位の場所(延髄・頸髄・胸髄・腰髄・馬尾)
■現時点で考えられる腫瘍の種類(疑い)良性・悪性
■脊髄空洞症の併発と長さ
■多発性・遺伝性による脊髄腫瘍の可能性
■現在の自覚症状(触覚、位置覚、温・冷覚、異常知覚、運動障害、歩行障害、膀胱障害など)
■治療方針(手術・放射線治療)、摘出可能範囲(全摘・部分摘出)、再発率
■手術のリスク、合併症
■手術を考える時期
■リハビリ(入院・通院)の必要性